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8bit年代記 

 ゾルゲ市蔵の「8bit年代記」を絶版マンガ図書館で読みました。
http://www.zeppan.com/book/detail/45521
作品紹介は、続刊制作プロジェクトのページから引用。

『8bit年代記』とは2007年1月から2010年8月までゲームサイド(マイクロマガジン社)にて連載されていた、一種の半自伝的ゲーム歴史マンガです。

スペースインベーダーの登場にはじまり、ギャラクシアン、電子ゲーム、ゼビウス、パソコンゲーム、そしてファミコン。日本におけるTVゲームの歴史、そしてゲームを切り口にした80年代そのものを、当時のクソガキの目を通して描いた内容となります。

こういうスタイルの作品は「アメリカン・グラフィティ」「ニュー・シネマ・パラダイス」「三丁目の夕陽」などいろいろありますが、自分たちの世代におけるそういったものが、このマンガの連載開始時にはまだなかったので、「だったら自分で描いてみよう」と思い立ったのがきっかけです。

「ゲーム」というのは、近代日本における大きな社会現象の一つであり、30代から40代、50代の方々にとっては避けては通れないものではないかと思います。今でも多くの人の思い出に深く刻まれているそんな「ゲーム」を通じて、一つの時代を振り返ってみよう…というのが一応のコンセプトなのでした。

まあ、そこまで大層な内容になっているかは怪しいところですが、

「あー!こんなことあったあった!懐かしい!」

と、TVゲームで育った世代の皆さんに感じていただきながら、そこそこ楽しく読んでいただけるのではないかなあと思って描いておりました。

引用長くて各方面に申し訳ない。

 遅れてきたオタクたる私は、当時の雰囲気を知ることに飢えています。
本作にも描いてある通り、情報はネットでいくらでも知ることができますが、時代の空気はわかりにくいので。
不良のたまり場だったゲームセンター、世にあふれたパチモノゲーム、ファミコン以前のゲーム事情などを、当時の子供の目線で追体験できるのは楽しい。
アニメ制作に没頭した高校時代に大きくページが割かれているのも、当時は漫画、アニメ、ゲームの垣根が今考えるよりもずっと低かったことの証に思えます。
それは、1980年代初頭を描いている「アオイホノオ」で、主人公が漫画描きとアニメ制作を行ったり来たりしているのを見て初めて気付かされたことなのですけれども。
絶版作品のお約束で、雑誌の休刊によって不意のタイミングで終わったようなので、エピソードのバランスが悪いのは仕方
ない。

 面白いのは、コンピューターのことを語っているはずなのに、必ず人間同士のつながり、交流が描かれていることです。
高価なゲーム機、マイコンを購入した同級生との関わりや、駄菓子屋のおばちゃんとの暗闘、そして銀河戦士。
多人数が肩寄せ合って作り上げたはずの自主制作アニメの項では、不思議とそのテイストが薄いのも示唆的。
一人でしか遊べない機械が、人と人とをつなぐコミュニケーションツールになっていたことを思い知らされます。
こういった構図は、おそらく時代とともに忘れ去られていくことでしょう。
だからこそ、出版物で語り継がれる必要があると思うのです。
この作品に限らず、近年は80年代が歴史として語られ始めているのが嬉しいのでした。

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心おきなく正気を捨てえ!!-阪神タイガース応援団熱血青春物語!! 

 タイトル通り、阪神タイガースの応援団漫画で、1巻完結。
絶版マンガ図書館で読みました。
http://www.zeppan.com/book/detail/45961
暑苦しくも優しい視線で描かれ、主人公の憧れと挫折、そして再生が過不足なくまとまっている良作です。
掲載紙、連載時期などの概要はJコミの中の人から。

「漫画アクション」で2004年9月3日号~2005年2月4日号まで連載され、2005年4月に双葉社から単行本化された


 ということです。
作者の山田圭子は少女漫画出身。
一般誌でその熱い作風を生かしました。
久保ミツロウも応援(団)漫画をよく描いてますが、応援団の熱量は女性に訴えかける何かがあるのだろうか。

 仕事も生きがいも見つけられず大学卒業後フリーターになってしまった桜坂嵐。
不意に訪れた甲子園の外野スタンドでタイガース私設応援団に魅せられ、のめりこんでいく。
めきめき成長する嵐に次々と訪れる試練。
先輩団員の生き様に心を打たれ、嵐は覚悟を決めていくのだった。

 以上あらすじ。
阿綺と佐久間がたまらなく格好いいのです。
嵐が就職試験で言い放った「会社員ではその(応援の)時間を確保できません! だから今はどこの会社にも就職はしません!!」も名言。
一見、迷言にも見えるけど、プロ野球チームの私設応援団に入るのは、つまりそういう「心おきなく正気を捨て」ることなのですよね。

 私はプロ野球の観戦に割と行く方ですが、応援団のいる外野スタンドは正直近寄りがたい。
甲子園も、内野スタンドまでしか行ったことがありません。
その、知られざる世界がどんなものなのか、わかりやすく描かれています。
ジャンルとしてはお仕事漫画ですが、主人公は職なしとはこれいかに。

 冗談はさておき、阿綺が表題の言葉を嵐に掛けるクライマックスの場面は鳥肌もの。
嵐が再び立ち上がるために語られる阿綺や幹部連中の過去もグッと来る。
何の見返りもなしにこれだけの献身をさせるタイガースって大阪人にとってどれだけの存在なのか。
こればかりは、一生わからないかもしれません。

常習盗賊改め方ひなぎく見参! 

 一本桜花町編と合わせて絶版マンガ図書館で読みました。
1998年から2001年まで月刊ガンガンWINGで連載の無印が全3巻で、2006年から2007年までコミックブレイドMASAMUNEで連載の一本桜花町編が全2巻。
独特な丸みを帯びた輪郭の女の子が可愛いのです。
個性があるのに正統派の美少女を描くのって、本当に特殊技能だと思います。

 概要の紹介はJコミの中の人から。
片やエニックスお家騒動で打ち切りとなり、片や掲載雑誌の休刊で打ち切り。
人気と関係ないところで作品が終わっている分、面白いのはいいけどモヤモヤするのも事実。
作者としては続きを描くつもりがあるようですが、果たしてどうなるだろうか。

 如月雛菊は、16年ぶりに一本桜花町に現れた義賊・石川夢幻斎を捕えることに執念を燃やす16歳。
18歳の石川剣は夢幻斎を演じながら夢幻斎対策課の職員として働いている。
雛菊は夢幻斎を追ううち心を通わせ、次第に心惹かれていく。
一年中咲き続ける桜と如月家、石川家の因縁は世代を超えて継がれていく。

 そんなあらすじ。
雛菊は毎回あっけなく夢幻斎を取り逃がしますが、それにも理由があるというすごい話。
だからこそ、物語序盤の捕り物みたいな駆け引きをもっと見たかった気もしますが、話を急いで畳まなければならなかったので仕方ない。
雛菊以外には夢幻斎の正体がバレバレなのも、ガバガバで笑える。

 守護月天のアニメで育った世代なので、作者への思い入れは深いです。
月天の方も完結まで時間がかかってね……(遠い目)

 個人的には紫紺太夫とか椿とかが好きなのですが、一本桜花町編ではともに極めて影が薄いので寂しい。
特に椿のフェードアウトっぷりはあまりにあっさりかつ突然で驚く。
物語上必要な展開ではあるので、この手際の良さは一見の価値がある。
快活な雛菊が相談相手を失って孤立していくきっかけになるので、つらいですが。

 無印の終盤は、物語世界の根幹に迫っていてかなり難解。
しかし、一本桜花町編のラストは主要人物の消息も含めてさらに難解、という凄まじさ。
ここは基本ネタばれ上等で書いてますが、うまく説明できないので、誰か何とかしてください。
恋愛面はゴールが見えつつありますが、キャラや設定の掘り下げはもっと見てみたいところです。

デュアルジャスティス 

 竹山祐右「デュアルジャスティス」を絶版マンガ図書館で読みました。
2006~07年にかけて、Web漫画誌のMAGNAなどで連載されていたようです。
全3巻。
http://www.zeppan.com/book/detail/45941












 読む作品は、表紙と少ない予備知識で選んでいるので、別に意識したわけではないのだけれど、先日読んだカティサークに似てました。
お約束スキーには大好物なのです。
自分の「引き」も捨てたものじゃないな、と思う。
それと、何より絵が好みなのです。

 人が天に思いを馳せなくなった時、天は地上に使いを遣わせる―。
不良のレッテルを貼られた少年・瀬守源路は堅物の「天空特警アヴァロン」に、大和撫子として育てられた湖奈川美月は破天荒な「美少女天使パレスリーナ」に変身し、人々に恐怖を与える悪魔獣と戦っていた。
クラスメートだが互いに正体を隠して戦う中、悪魔獣を束ねる3体の魔徒が現れる。
人心を惑わし、恐怖を力とする魔徒に、己を抑圧する正義の味方は次第に圧されていき、ついに迎えた最終決戦の行方は。

 ……というあらすじでした。
設定だけでご飯3杯くらい行けます。
人間の皮を被って暮らす魔徒が憎めないキャラで、途中から参戦する銃装天女オラクルリーファも可愛いんだわ。
3人目が出てきたらデュアルじゃないじゃん、てツッコミにもちゃんと応えてくれるし、設定面は本当に行き届いてる。

 昔はジャンプを読んでたのですが、死屍累々の短期打ち切り作品の中でも、印象に残る作品というのはある。
その一つが同じ作者のバレーボール漫画「カイゼルスパイク」でした。
多分キャラクターデザインに惹かれたんだと思う。
打ち切り以来、ジャンプでは見なかったのですが、こういう仕事を残していました。

 特撮ヒーローものと魔法少女ものの文脈を踏まえてシナリオを一本化……と言いたいところですが、1.5本化くらいで進行していきます。
描きたい事がいっぱいあって可能な限り詰め込んだ感がひしひしと伝わってきます。
それが、掲載誌の休刊などで不完全燃焼で終わった感じ。
そのあたりの思いは、各巻の巻末に書かれています。

 しかし、このキャラ配置なら、源路と美月が反発しながらも互いに惹かれあって……みたいな展開になりそうなものだけど、当然の様にそうならないのに驚く。
よほど意識していないとこんな描かれ方にはならないはずなので、真意を知りたいところ。
せっかくのダブルヒーローなので、もう少しパレスリーナの方に寄っても良かったように、個人的には思います。
そんな惜しさも含めて、もっと読んでみたかった作品でした。

やまとの羽根 

 「やまとの羽根」を絶版マンガ図書館で読みました。
咲香里のバドミントン漫画で、全4巻。
ヤングマガジンアッパーズで2003~04年にかけて連載されたものでした。
http://www.zeppan.com/book/detail/42414








 バドミントンの技術教本か、というくらい丁寧に、上達のプロセスを描いてます。
青年誌なのにエロ要素も皆無、すごい!
jコミの中の人は、

これはマトモに面白い作品で、まさに少年漫画の基本というか、新人漫画家の教科書にしても良いほどの本格スポーツ漫画です。(http://d.hatena.ne.jp/KenAkamatsu/20120422/p1

と言っており、つまり、漫画好きにもバドミントン好きにも読むのに適した漫画だということです。

 運動神経に優れた中学1年の鳥羽大和は、双子の妹・撫子のシャトル打ちに付き合わされている時に偶然、同世代の全国王者・沢本翔の卓越した技術に触れ、バドミントンに魅せられた。
撫子が入部した女子だけのバドミントン部に初心者の大和も入部、旺盛な好奇心を糧にみるみる成長していく。
周囲の実力者たちも大和のバドミントンへの真摯な姿勢に感化され、己の壁と向き合いながら協力を惜しまない。
2学期には元インドネシア強化選手の同級生・上野ハルも入部し、バドミントンにさらにのめり込んでいくのだった。

 そんなあらすじ。
あらすじにオチがないのは、掲載誌が休刊する、というオチがついたから。
もし休刊が無かったら、テニス漫画の「ベイビーステップ」みたいになってたと思うのだけれど。
とても勿体無いです。

 翔が高々と打ったサーブが、羽根を収納するケースにスッポリと入るのを見て、大和はバドミントンに恋してしまうのですね。
そして、簡単そうに見えた技術習得が上手くいかないことに燃えて、なおさらのめり込んでいく。
男子不在のバドミントン部に入って、大和のことが気になる女子も割といて、恋愛要素には事欠かないけど、大和は女の子に目もくれない。
バドに恋しちゃってるので。

 大和だけじゃなくて、作中の実力者たち全員、対人の恋愛要素無いです。
それもまた、大和と同じ理由なのでしょう。
色恋に現を抜かすのは、弱小の女子バド部の平部員ばかり、という。
それぐらいストイックにならないと上手くはなれないんだ、というメッセージを明確に打ち出しているのも、実に教本らしい。

 私は早坂先輩が好きです。
競技環境に恵まれず実力が頭打ちになっていることにプライドが高いゆえに悩みながら、大和の存在に刺激を受けて辛うじて競技への情熱をつないでいくメンタルの弱さが愛おしい。
お蝶夫人に通じる美学があるというか。
彼女の苦しみを描くことで、大和が将来ぶつかるであろう壁の存在も示唆されることになるわけです。

 大和の「バドミントンバカ」を最初はみんな笑うけど、次第に熱意に絆されて教える側も本気になる。
本気の教えを受けた大和は一度体で覚えた技術をすぐに習得するから、教える側もどんどん楽しくなってくる。
大和にとっては幸せな好循環が、作品を支配しています。
これからぶつかるはずだった壁にぶつかる前に作品が終わってしまうのは、大和にとってはある意味で不幸だったのかもしれません。

 しっかりと布石を打ってきただけに、初めての練習試合に勝ったところで連載が終わったのが勿体無い。
翔は1話以来顔見せが無かったし、大和も(あの変な天井で死ぬほどシャトルが打ちにくそうな)代々木第二体育館のセンターコートに立つことはなかった。
作者にとっても痛恨の出来事だったことが、最終巻のあとがきを見ればわかる。
そこで生まれたのが、週刊少年マガジンで長期連載された「スマッシュ!」だったわけだ。

 スマッシュ!はマガジンでリアルタイムで追ってました。
中盤から、高校生になった「やまとの羽根」の登場人物がライバルとして出てくる。
スマッシュ!は、バドミントン強豪校が舞台で、割と競技そっちのけで恋愛してた印象があるので、やまとの羽根のストイックさに面食らった、というのはあります。
スマッシュ!読み直したくなってきたな。

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