キノの旅 

 普段ライトノベルを読まない人たちがなぜか読んでいて、しかもべた褒め状態なのが『キノの旅 the Beautiful World』シリーズ(著:時雨沢恵一)なのです。
彼らの中では、私が以前感想を書いた『無責任艦長タイラー』シリーズのようなものとは、明らかに扱いが違います。
このあたりが何故なのか…それは、実際に読んでみれば明らかではあるのですが、この作品に出会うまでの経緯を、是非知りたいものです。

 …と、感想を書こうと思ったのですが、実は1巻を5~8巻との交換に使ってしまって、今手元にないんですよね(^^;)
そういうことなので、何がどう面白いのかを大雑把に述べてみようかなと思います。
そもそも、ライトノベルという単語の定義は曖昧で、一応、剣と魔法の中世風冒険ファンタジーか、SFの要素が交えられた現代劇がすぐにイメージとして浮かべることが出来、実際にそれが主流派ではあるはずですが、それが全てではありません。
『キノの旅』は、そういう意味では完全に傍流の作品です。
但し、傍流だからといって人気が出ないのかというとそれは全く逆で、むしろ旧来の枠に囚われない作品として、強い光を放っているというのが、実際のところです。

 キノは、相棒で乗り物のエルメスと一緒に、旅をしている。
キノが巡る国々は、どこもうまく回っているようでいて、どこか狂っている。
だからこそ、美しい。

…みたいな。

そういう話です。
主要な登場人物(人と物)はキノとエルメスの2人、多めに見てもせいぜい6人ぐらいか。
増えもしなければ、減りもしません。
キャラクターが命といわれるライトノベルでこの少なさは、尋常ではありません。
ならば、余程キノとエルメスのキャラのアクが強いのかといわれれば、そこまで強いものではなく、むしろ薄味、ニュートラル。
キノの旅を、キノの旅たらしめているのはむしろ、それぞれの『国』です(国が舞台ではない場合もあるが、便宜上『国』ということで)。
この『国』というのは、私達が実際に過ごしている世界のどこか変なところを切り取り、デフォルメし、拡大した社会のことです。
読んでいると、「ああ、こういうこと、実際の社会でもあるある」という気分になれると思います。
あんまり若いうちにこのシリーズを読んでしまうと、ちょっとした社会不信に陥ってしまうかもしれませんね。
この世界に対して適度の諦念を抱いた状態で読むと、一番楽しめるのではないでしょうか。

 端的に言えば、”キャラ萌えしない、かつ面白い”作品であるといえるでしょう。
あと、間違っても読後感の良さを期待しないように。

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