精霊ルビス伝説 

 絶版マンガ図書館で読みました。
全7巻です。
http://www.zeppan.com/book/detail/41681





 ドラゴンクエストのロト3部作に登場する、精霊ルビスとロトの運命を描いた作品。
久美沙織の小説の原作を、当時すでにベテランの阿部ゆたかが漫画化したもの。
ロトが選ばれし勇者である理由がよくわかります。
当時は正史に組み込まれていて、現在の扱いは不明ですが、ドラクエのファンタジーな世界観を豊かに補完してくれます。

 火、地、水、木、金を司る五つの精霊家「五大家」によって治められる大地イデーンに、地の精霊家とヒトの血を引く少年ディアルトが、精霊とヒトの融和を求めて怪鳥ラーミアを伴い訪れた。
火の精霊家の跡継ぎとして育てられたルビスはディアルトに惹かれるが、混血の穢れと強大な力を警戒する地の精霊家によって、ディアルトは封印される。
数年かけて復活したディアルトは、イデーンを支える魔峰オーブの大噴火の予兆を察知し、人々が巻き込まれないよう、再び精霊たちを訪れる。
望まぬ結婚を強いられたルビスはディアルトについていくが、この騒動を契機に五大家による統治システムは崩壊、噴火の被害を抑えるためにオーブへ向かったディアルトは、地の精霊家との因縁に決着をつけた末に、終わらない戦いの因果に巻き込まれていくのだった……。

 以上、雑駁なあらすじ。
書けば書くほど、ディアルトに同情してしまう。
精霊たちはルビスも含め本当に傲慢で身勝手な連中です。
少なくとも漫画を読む限りでは、ディアルトは本懐を果たせなかった上に、魔王と立ち向かう宿命を背負わされることになるわけです。

 別に精霊たちを見ていて不快になるということはなく、それぞれのキャラは立っているので、ちょっとした神話を見ているような気分になる。
精霊の上に立つ神は別にいるのですが、彼らはそれこそドラクエ世界での精霊のような役割しか果たしません。
とにかくディアルトが不憫で。
ディアルトの従兄ダトニオイデスが根本的にヘタレなのが原因だと思う。

 全7巻のうち、原作の本編時系列に入る前の序章が5巻の中盤まである。
このバランスの悪さ、最初はどうかと思ったが、エキセントリックな精霊家の面々にちゃんと感情移入させるには、これぐらい描写しておかないとだめだったかもしれないと思い至った。
逆に、本編が駆け足な印象はあるけど、それは諸般の事情もあるだろうし、見ようによっては怒涛の展開でもある。
ともかく、序章で下準備がしっかりできていた分、本編を理解しながら読めたのは構成の妙でしょう。

 キャラクターデザインは好みもあるだろうけど、個人的には20年前、という以上に古く感じる。
背景等の描き込みがしっかりしている分、印象が際立ってしまうのかもしれない。
……そのあたりを現代の視点で指摘するのは、フェアじゃないですが。
人に勧める意味では、絵柄の古さが気にならなくて、ドラクエ好きならぜひどうぞ、という感じです。

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